◆藤本なおや 委員 昨日に引き続いて毎度おなじみの青梅寮の売却、そこから発展をして公共減額のあり方について伺ってまいります。
よろしくお願いします。きのうの続きでございますけれども、きのうの青梅寮の売却についての答弁の中で明らかになったことは、青梅市が購入の意向を明言したと。区としてはこの青梅寮の資産価値を6,700万円余と査定をしているんだ、こういったことでありました。
そこで、青梅寮の古民家は吉川英治の建物と同じ棟梁が建てた建物だということで、付近でもある程度格調の高い、歴史ある建物だ、こういうふうに言われておるそうでございます。こういったことから、杉並区はこれまで更地にすることなく、公募で売り払うときにも母屋の保存を条件としたわけですけれども、前の委員会のときにも言いましたが、余り買い手が見つからないのであれば、土地と建物を分けて売る方法も模索すべきだ、こういうふうに提案をしました。このときの答弁としては、検討すると、こういった答弁をいただいたわけですけれども、その後どうなったのか。
また、母屋には立派な大黒柱とか梁が使われておるわけでして、こういった部材費だけでも相当な価値があるのではないか、このように思いますが、いかがですか。
◎経理課長 確かに何回かそういったご指摘をいただきました。私どもも古民家の再生等にたけている専門業者さん等に調査をその後いたしております。確かに一部大黒柱などは高値で売れる場合もあるというふうには聞いておりますけれども、それは実はあの分野については買い手がついての値段ということでございます。そういうことで、一部私どもはそういったことを調査しておりますが、もう1つは、機械で壊してしまうとそういった部材が使えないということで、手壊しになるということで、かなり解体に費用が増えてしまうというようなことを分析しているところでございます。
◆藤本なおや 委員 そこで、平成18年に青梅市も調査費を予算計上して、この青梅寮の資産価値評価を実施しておりますけれども、その結果を当区ではどのようにつかんでいるのか。
◎経理課長 確かに青梅市は18年度に調査費を予算計上しているようですが、これは青梅市さんに聞きますと、建物の評価ということではなくて、青梅市交流拠点構想というものを策定するための調査委託であると。つまりあの部分を道の駅として使える適地かどうかという、そういう調査をする経費だということで聞いてございます。
◆藤本なおや 委員 今後売り払い交渉を進めていく中にあって、まず、この青梅寮を青梅市が時価買いをするのか、また、土地開発公社が先行取得をしていくのか、こういったことによってこれからのスケジュールというのは大きく変わってくるわけでありますけれども、ただでさえ、杉並区は何も使ってないこの青梅寮に年間100万円もの管理費を注ぎ込んでおるわけでして、これからの協議の結論が先送りにならないほうがいいわけですけれども、この辺の見通しについてはどのように考えておりますか。
◎経理課長 私ども、青梅市さんから売却猶予をしてくれということで、この間やってきました。3月には正式なお答え、購入したいという意思表示も出ていますので、こういった動きを精力的に私たちもとらえて、ある程度の見通しをつけて、これから青梅市さんと精力的に協議をしていきたいと思っています。
◆藤本なおや 委員 そこで、杉並区においては国や東京都から土地の購入実績はありますけれども、ほかの自治体に区の財産を売却する、こういったことは余り多くは経験してないと思いますけれども、前例があればお示しください。
◎経理課長 ちょっと調べる限りでは、前例はないものだと思っております。
◆藤本なおや 委員 国や都から杉並区へ土地が払い下げられるときには、公用に使うことを条件として減額して購入ができる、こういったことが通例になっております。一方で、当区の条例においては、財産の交換、譲与、無償貸付け等に関する条例第3条第1号の規定によって、「他の地方公共団体その他公共団体において公用若しくは公共用又は公益事業の用に供するため普通財産を当該地方公共団体その他公共団体に譲渡するとき」には、時価よりも低い価格で譲渡することができる、このようにされております。
いわゆる公共減額と言われるものなんですが、まず、この公共減額についての国や都の基準がどのようになっているのか。また、公共減額についての考え方も伺っておきます。
◎経理課長 いわゆる公共減額は、自治体同士で、公共の立場同士で減額をするというものだと思います。国もこの間行財政改革のあおりがございますので、かつてのような減額ということではなくて、例えば物納物件等についても、現時点では減額をもう廃止しているというような状況でございます。ただ、優遇措置自体は一部残っているような実情だというふうにとらえております。
それから東京都におきましても、いわゆる公共的な減額というものはあるようですが、これは内規であって、非公開というような情報を受けておるところでございます。
◆藤本なおや 委員 そこで、このたびの青梅寮の売価交渉についてなんですが、この公共減額の規定が適用されるのかどうか、また、青梅市からこういった要望が来ているのかどうか、その辺はいかがですか。
◎経理課長 青梅市さんも私どもの先ほどの条例の規定等はご存じのようで、また、多くの観光客を都内あるいは都外から呼んでいきたいというようなことで、公共の用に供したいということで、今までの交渉の中では、そういった減額についても考えてくれないかというようなことはございます。
◆藤本なおや 委員 そこで青梅市との売価交渉の中で、公共減額の減額割合がある程度固まってきたら、今度は当区において財産価格審議会にかけられると思います。この財価審の審議においては、通常、物件を不動産鑑定士などに査定してもらったりとか、近隣の路線価、公示価格を参考としながら、購入や売却の金額の適正を審議するものでありますけれども、今回のような青梅寮の売却の場合、ほかの自治体に区の財産を売却するというレアケースに加えて、公共減額が適用される可能性もあるわけでして、財価審での審議の中で、政治的な、また政策的な判断でもあります公共減額の減額割合の適正、こういったものについて議論されるのかどうか、それとも通常どおりの基準価格のみを審議するのかどうか、こういった方向性について伺っておきます。
◎経理課長 これも前例がないので、あくまで方向性で今考えているところでございますが、財価審は、おっしゃるとおり財産の価格を審議していただくということで、通常、私ども、例えば地上権であるとか借地権であるとか、財産にかかわるものについては考慮の対象に入れていただこうと思いますが、今回、減額をする、しないはまだ決めてございませんが、そういったことになれば、その政策的判断の部分についてどういうふうに考えるか、参考としてご意見をいただくとか、そういった考え方を今後整理をしていきたいというふうに思ってございます。
◆藤本なおや 委員 視点を変えて質問すると、さきの条例を根拠として減額譲渡がなされた場合、区として減額割合の基準を要綱や規定などでつくっているのかどうか。仮にこういった基準を持っていないのであれば、今回の青梅寮売却のほかに、区が所有する区外施設の売却、例えば富津学園があります。それとともに、先ほどもありましたけれども、温泉の出なかった保養施設、これはどうするのかわからないですけれども、他の公共団体に区有財産を払い下げるケースというのがこれから出てくる可能性もあるわけでして、早急に減額譲渡の減額割合の決め事、ルールづくりを行う必要があるのではないかと思いますが、見解を求めておきます。
◎経理課長 要綱とか基準については、先ほどの条例以外のものは持ってございません。ご指摘のような一定の基準は今後必要だと思ってございます。
◆藤本なおや 委員 現在、区外の全く使われてない施設であっても、大切な区民の財産でありますから、公共に払い下げる場合に適用される公共減額で8割も9割も減額されてしまっては、大変な損失になってしまうわけですから、今申し上げた譲渡割合のルールづくりとともに、少なくとも最低、例えば5割以上の減額はしないよというような限度割合についてということもあわせて整備すべきだと思いますが、いかがですか。
◎経理課長 おっしゃるとおり、財産は公金が転化した形で私ども管理してございますので、そうした大きな損失がないような限度についても、あわせて検討していきたいと思ってございます。
◆藤本なおや 委員 大分青梅寮の売却から話が膨らんでしまいましたけれども、杉並区としては、これから青梅市との交渉が始まるに当たって、まず減額譲渡ありきではなくて、やはり極力時価で購入してもらうという努力を行うべきでありまして、仮に公共減額の話のほうに向かっていくのであっても、更地にして民間に売却したほうが高く売れるわけですから、たたき売りということではなくて、一日も早く売却されるのを望むんですけれども、譲渡割合で折り合いがつかなかった場合には無理して売却をする必要はないので、強い気持ちを持ってこれからの協議に臨んでもらいたい、このように思います。
また、仮に減額譲渡という形で決着をしても、減額割合された分、区民が納得できるような付加価値というものも青梅市から、先方から得られなければいけないと思いますけれども、その辺を最後にお伺いをして終わります。
◎政策経営部長 今委員がおっしゃったようなことを、私ども、青梅市にそういったお話をしてございます。この何年間か、私ども青梅市に何とか売却できないかという話をして、向こうの返答を待っていました。向こうもようやくそういったことで、観光の拠点にしていきたいという考え方に立ったということでございますので、ある意味では、これは杉並区の区民の財産でございますので、区民が、あそこが青梅市のものになったとしても、あの辺は梅林もありますし、御岳渓谷もあります。ああいったところに杉並区民が行ったら、杉並区民は1割安くご利用できるとか、これを契機にそういったことにでもなればいいのかなというお話も含めてしながら、よりよいものにしていきたい、かように考えてございます。